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【感想・書評】あやうく一生懸命生きるところだった/ハ・ワン

今回読んだ本は韓国でベストセラーにもなった本です。


著者はハ・ワンさん。



ワンさんは会社勤めとイラストレーターのダブルワーカーだったそうです。


収入のほとんどが会社の給料で、当時の自分のことを「たまにイラストを書く会社員」と表現しています。


そんなダブルワークに奔走して、精神的にも肉体的にも疲れる毎日を過ごしていたそうです。



そんなある日、ワンさんは2ヶ月後には40歳になる自分のバースデーが迫っていることに気が付きます。


「40歳はターニングポイントだ」


そんな理由からなんのプランもないまま会社を辞めてしまいます。そして「今日から必死に生きないようにしよう」と決意します。


この日から「頑張らない人生」という、ワンさんの人生をかけた実験が始まったのです。そしてビールを飲んでごろごろすることが日課となりました。



この本のことをザックリと説明しておくと、自分をすり減らす毎日から抜け出し、「自分らしい生き方」に出会えるエッセイです。

  • 毎日走り続けて疲れ切った人
  • 努力することが当然と思っている人
  • 何もない自分は負け組だなんて思っている人


これらに当てはまるような人は、一度手にとってみることをおすすめします。



今回はこの本を読んでみて、特に自分が共感した部分をいくつか紹介したいと思います。







【書評】あやうく一生懸命生きるところだった/ハ・ワン

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努力は必ず報われるわけじゃない

世の中では当然のこととして教えられてきたことがあると思います。

  • 一生懸命やる
  • 頑張らない者は何事も得られない
  • 努力なしに得た成功は成功じゃない


こういった精神論です。


もちろん間違いじゃないですけど、世の中を長く見ていると必ずしもそうではない場面に度々遭遇したりします。

たとえば、数え切れないほどのオーディションの末にデビューする俳優もいれば、友人のオーディションに付いて行ったことがきっかけでデビューしてしまう人もいるように。


身近な例で言えば、根を詰めて働いたわりにたいした成績を得られなかった一方で、適当にやった仕事が好成績を収めたような経験は、誰しも一度はあるだろう。


・必死に努力したからといって、必ずしも見返りがあるとは限らない


・必死にやらなかったからといって、見返りがないわけでもない


そうだ、僕らが信じてきたこととは違い、人生とは実に皮肉なのである。


見返りはいつだって気まぐれなんだと著者は言います。


努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もあるし、逆に努力した以上の大きな成果を収める場合もある。この現実を認めてあげると、努力したことに対する成果に不満を持つことが少なくなるんじゃないでしょうか。


そしてこのように綴られていました。


「人間は生まれつき不公平に作られている。何事も頑張れば叶うなんてウソだ。君の努力が足りないせいじゃない。」

思い通りにいかないほうが正常だ

あなたの人生はすべて思い通りにいっていますか?


「ハイ」とすぐに答えられる人に自分は出会ったことがありません。


みんな思い通りにいかずに苦しんでいます。努力しなかったならともかく、それなりに精一杯やったのにうまくいかず、思いっきり落ち込んで、後悔しています。

しかし、よく考えてほしい。


思い通りにいかないほうが正常だということを。


バカ言ってんじゃないって?


じゃあ、ある人が思い描いた通りにすべて願いが叶ったとしよう。お金がたくさんほしいと願えば金持ちになり、あの人に好きになってほしいと願えばその通りになり、あの人が死ねばいいのにと願えば……そんな能力を、僕らは正常だなんて思わない。それこそ超能力だ。


僕らは超能力者ではない。何事も思い通りにならないのが正常で、自然なことである。だけどその事実をすっかり忘れ、思い通りにいかないと思い悩んでしまう。


人生が、世界が、すべてが思い通りにならずにつらいと不満を漏らす人がいたなら、その人は強欲なのかもしれません。


しかし、著者自身も「超」がつくほどの欲張りだといいます。


なぜ貧乏な家に生まれたのか?なぜイケメンじゃないのか?なぜこんなにも低能なのか?なぜ……つまり、自分の願い通りになっていることが何ひとつもないと。


「しかして人生とは、自分の願いや選択が叶うほうが少ないのかもしれない」と著者はいいます。

だけどそうだとしても、決して間違えているわけではない。僕らの人生は至極まっとうだ。何事も思い通りにいかない今が正常だ。苦しむ理由など何もない。


なんだ、これまで怒って損したな、フン。


思い通りにいかないほうが正常なんです。



あやうく一生懸命生きるところだった

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この本はエッセイということもあり、著者のゆる〜い語り口で書かれているのでとても読みやすかったです。


仕事で行き詰まったときなんかにこれを読んで、そんなに頑張らなくてもどうにかなるんじゃない?なんて具合に、気持ちをほぐすことができるのではないでしょうか。


ちょっと疲れたなぁと感じている人は一度手にとってみてください。






最後まで読んでいただきありがとうございました!
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