雨の日も晴れ男/水野 敬也
この本のあらすじ
二人の幼い神のいたずらで不幸な出来事が次々起こるアレックス。
だが、会社をクビになろうとも、家が焼けようとも、妻子が出ていこうとも、彼は常に他人を楽しませ、前向きに生きていた。その様子を見た二人は、全知全能の神ゼウスを振り切って……。
人生で一番大切なことは何かを教えてくれる感動のエンターテイメント小説。
裏表紙より
雨の日も晴れ男の感想・書評・まとめ
読んだ率直な感想として面白かった!
主人公であるアレックスが神様のいたずらで不幸やら無理難題がふりかかるのだが、持ち前のポジティブ思考でそれらを跳ね除けていくお話。
ちなみに著者の水野敬也さんはドラマにもなった『夢をかなえるゾウ』を書いた人です!
アレックスのとる行動が、まぁ基本おバカなのである。ポジティブ思考というか、良い意味でバカ。不幸を不幸と思わない、もしくは気づいていないから周りも困惑する。そのやりとりのギャップが面白い。
舞台がアメリカなため当然みんなアメリカ人。そして外人さん特有の偏った日本の解釈をネタにした笑いが面白い。KOKESHI・DOGEZA・FJIYAMA!こーゆーの外人さん好きそう!って思える部分で笑いをとりにきている。
アレックスはポジティブ思考!……なのかどうかは実際にはわからない。
アレックスのとる行動は相手がいるから、相手が喜ぶからやっているだけで、そこに本人にはポジもネガもなさそうだから。周りから見たら前向きに見えるがポジティブととらえるかどうかは本人次第。
アレックスがいつもやっていたのは、誰かを楽しませようとすることだけ。相手が喜ぶのを見るのが嬉しいのだろう。周りが喜んで自分も楽しくなる。究極のGiveの精神を持っている。
この物語の最後にこんなことが書いてある。
神は人を不幸にすることも幸福にすることもできない。ただ出来事を起こすだけ。
本文より
今、自分が不幸だ、大変だと思っている人も、それは起きている出来事を不幸だという視点から捉えているからである。見る角度を変えれば捉える解釈も変わる。というか、自分の解釈でどうにでもなる。
そんな風に起きている出来事をアレックスのように、言い方は悪いかもしれないが、都合のいい解釈をすれば人生どんなことが起きても、楽しく乗り越えることができるであろう。
前向きに生きるためのちょっとした気づきを、笑いを交えて感じ取れる。そんな本でした。