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【感想・書評】読書する人だけがたどり着ける場所/齋藤 孝

インターネットがあれば、いつだってすぐに、欲しい情報が手に入ります。


それどころか、こちらが望んでいなくても、毎日大量の情報に私達は触れています。



「本を読まなくなった」とだいぶ前から言われていますが、事実、「読書時間ゼロ」の大学生が過半数を超えた、というデータがでています。


そんな彼らは、本を読む機会がなくても、インターネットで情報にはたくさん目を通しているはずです。にも関わらず、それほど情報が血肉になってないような気がします。


毎日情報に触れているのに知識が深まらないのは、なぜか?



ネット全盛の現代だからこそ、あらためて本と向き合うことが重要なのです。




読書する人だけがたどり着ける場所/齋藤 孝

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ネットで文章を読むことと、本を読むことは違う

ネットで文章を読むとき、私達は「読者」ではありません。「消費者」なのです。こちらが主導権を握っていて、より面白いものを選ぶ。「これはない」「つまらない」とどんどん切り捨て、「こっちは面白かった」と消費していく感じです。
消費しているだけでは、積み重ねができにくい。せわしく情報にアクセスしているわりに、どこかフワフワして何も身についていない。そのときは「へえ」と思ったけれど、すぐに忘れてしまいます。浅い情報は常にいくつか持っているかもしれませんが、「人生が深くなる」ことはありません。


これは読書がどうとか、ネットがどうとかの問題ではないような気がします。気構えの問題だと思います。


欲しい情報、知りたいことに対して、自分から取りに行こうとしているかどうかの違いで変わってくるような気がします。



ネットの場合だと、流れてくる情報を興味があれば拾ってみるという、どちらかといえば受動的な場面が多い気がします(全部が全部ではありませんが)。


それに対して読書は、まず読むべき本を見つけるところから始まり、手にした本を、さあ読むぞと開いて読み始めないといけないため(そこまで身構えないですけど)、自分から行動を起こす必要があります。


この差が、「消費者」と「読者」の違いになってくるのだとと思います。

思考力を深める本の読み方

どんなジャンルの本にせよ、情報として読むだけでは思考はなかなか深まりません。思考が深まりやすいのは、感情が動いているときです。
思考力のある人は、感情をよく動かし手います。頭と心、両方必要なのです。だから、思考を深めるには「感情をのせて読む」ことが重要です。


思考に感情が合わさると、その情報は自分の体の一部となりやすい気がします。


みなさんの学生時代を思い出してみてください。


小学校、中学校、人によっては高校、大学と長い期間勉強に時間を費やしてきたと思います。

長い期間費やして勉強してきたことを、どれほど覚えていますか?たぶん、ほとんど覚えていないと答える人が多いと思います。自分もそのひとりです(笑)


しかし、辛い練習の部活動や、ワクワクしながら準備した文化祭、緊張した人生はじめての異性への告白など、感情が絡んだ出来事は今でも覚えているんじゃないでしょうか?


本も同じように、感情をのせて読むと思考力が深まるのだと思います。

知識を深める本の読み方

あるテーマについて知りたい場合、続けて5冊ほど読むとかなり知識が得られます。私は一人の研究者、学者の先生につき、だいたい5冊を続けざまに読みます。そうすると、5冊目を読む頃には同じことの繰り返しのように感じられます。それだけ知識が定着したということです。


知らない内容の本でも、同じ著者の本を続けざまに読むと、言いたいことや伝えたいこと、重要な部分が重複するので、最初わからなくても何冊か読むうちに、「あっ、そういうことか!」と腑に落ちる瞬間があります。

知識を定着させる本の読み方として、効率がいいと思います。


最後に

この本を読み終えた最初の感想は、「あれ?」というかんじでした。


それもそのはず、自分は実用書やビジネス本的な要素を期待して読んでいたのですが、この本の読書の対象となる本が、小説や文学、ノンフィクションなどだったからです。

そのギャップで少し肩すかしにあったような気持ちでした。



上記ではそんなビジネス本的な要素が強い部分の抜き出しになっていますが、実際の本の中では、超有名な古典や、不朽の名作、世界の文豪とよばれる人が書いたものの一文を例にあげ、著者がその本を読んで感じたこと、その本の読み方などを解説しています。

とてもわかり易く書いてあるので、「へぇ〜、そういう読み方をするんだ」と、とても面白く勉強になりました。



読書する人だけがたどり着ける場所というのは、やはり読書する人にしかわからないと思います。


本当は普段本を読まない人にこの本を読んでもらいたいですけど、たぶん読まないのが現実だと思います(笑)



もし普段あまり本を読まない人が、この本を手にする機会があれば、是非一度目を通してみてください。




最後まで読んでいただきますありがとうございます。

ではまた!


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