どーも、マルです。
底辺労働者である自分は
『金さえあれば働かずに好きなことやって生きていけるから幸せだろうなー!』
と考えている人間です。自分に限らず、世の中の人間がほとんどそう思ってるんじゃないかな?
だって、分からないですもんね?実際にそんな大金を持ったことないから。想像の域を越えないです。
それとは逆に、
『幸せはお金で買えない!』
なんてのも耳にしますね。これも大金を持ったことのない人が言っているもんだから信憑性に欠けます。
『お金』と『幸せ』
人間、一度は考えるこのテーマを題材にして書かれている物語。
それが『億男』です。
ザックリとどんな物語なのか
主人公である一男は身内の借金が理由で、妻、万佐子が娘を連れてででいってしまいます。
その借金を返済するために日々働いていましたが、そんなある日、商店街のくじ引きで三億円を手にします。
思いもよらない大金を手にしてしまった一男は、この大金をどう使えば幸せになれるか悩みこんでしまいます。大富豪となった親友の九十九(つくも)に相談しにいきますが、その直後九十九は三億円もって姿を消してしまいます。
『お金と幸せの答えを教えてあげよう』という言葉を残して。
ここから一男のお金をめぐる三十日間の冒険が始まります。
億男を読んで感じたことを書いていきます!
億男を読み終わった直後の率直な感想。それは…
なんか掴みどころが無かった…。です(笑)
これは自分の頭があまりよろしくないというのが主な原因ですが、それとは別に、お金と幸せをテーマにしているからかなと思いました。
この両者は自分の中で漠然としたイメージしかないので、読み終わった後も、なんかフワフワしたものになったのかもしれません。
そんなわけで、上手く感想がまとめきらなかったので、以下ではとりあえず感じた事を書いていきます。
やはりお金がないと苦労する
主人公である一男は身内の借金により家族がバラバラになってしまいます。
一男は心から幸せだと感じることができた、妻と娘と一緒に過ごす時間を取り戻すために昼夜働いて、稼いだお金を借金返済にあてました。
これはリアルな世界でも起こりえる話ですよね。
お金さえあれば家族はバラバラにならずにすみ、一男は幸せな時間を過ごせていたかもしれません。
お金がないからこんな大変な目にあってしまった。つまりは、お金があれば幸せだったかもしれませんね。
お金があっても仲間を失う
一男の親友である九十九はベンチャー企業の社長で、資産も100億円規模で持っています。
そんな九十九には一緒に仕事をする仲間がいました。
『信じることができる人求む。僕が信じることのできる人。僕のことを信じてくれる人』
という条件のもとに集まった仲間です。
そんな仲間たちも、最終的には目が眩むような大金を前にバラバラになってしまいます。『信じる』よりもお金をとった形になってしまいました。
先程の一男の時とは逆に、お金があるがゆえに苦楽をともに過ごした仲間を九十九は失くしてしいました。
こんな大金さえなければ今でも九十九は仲間たちと一緒だったかもしれません。
大金を手にする人生を選んだ人のその後
お金を手にして九十九のもとを去った仲間たちに一男は会いにいきます。
しかし彼らは心から幸せであるようには見えませんでした。
彼らは自分の幸せというものを一生懸命形づくっていました。しかし、根本にある九十九を信じることができなかったという思いからか、上手くお金と向かい合うことができずに苦しんでいるようにも思えました。
万佐子が待っていたもの
借金が原因で一男と万佐子のお互いの気持ちにズレが生じる。それによって一男の元を去る万佐子。
しかし、大金を手にして元の家族に戻れると再び一男は万佐子に会うが、もう昔の一男ではないと言われてしまう。『あなたは変わってしまった。お金に大切なものを奪われてしまった。』
たぶん万佐子は待っていたんですね。お金が原因でなくしてしまった家族の絆を戻すための大事なものを。
その大事なものを一男はお金だと思い、一生懸命集めていた。でも万佐子が求めているものは違った。
『もしあなたが本当に望んでいるなら、お金がなくても私達はやり直せたはず。そうならなかったのは、根本的には私たちを失ってもいいと思っているからよ』
万佐子が求めていたのは、一男のもう一度家族に戻りたいという気持ちだったんですね。万佐子はそれを『欲』と言っています。戻りたいという欲がお金に奪われてしまったと。
これは自分のお金に対するイメージと違いました。お金は欲を満たすもの。逆にお金を持つことでどんどんと欲が出てくるものだと思っています。
でも万佐子の考えはまるっきり逆で、お金を持つことでその失った欲が戻ることはないと。
お金と欲。その二つを並べたときにそんな考え方があるんだなと驚きました。